星の海のかたすみ

臆病で弱い自分を可愛がる

夏を手放せない

夢が終わる


定禅寺通りの街路樹と像

商店街の灯り

お気に入りであふれた店々


淡い記憶がセミの声といっしょに

かけめぐる私の脳を

スズムシの声が覚まさせるのだ



嗚呼、私は悲しいんだ。

すべてが終わってしまうことが

心地の良さに満ちた青々とした空の記憶も、

非現実に満ちた愛しき絵画の並んだ空間も、

大好きだと馬鹿の一つ覚えのように告げた友人も、

何とかも終わってしまうことが

悲しくて虚しくて仕方がないのだ。

終わった記憶に後ろ髪を

結い合わせてしまったように

前を向くことができないのだ。


スズムシの声に耳を塞ぎ

駄々を捏ねる童。